1980年代のエロ漫画(成年誌)

1980年代のエロ漫画(成年誌)

 まあ、これで谷口敬の役目は終わったのでありましょう。もはや初期のロリコンマンガの実験的な雰囲気は薄れ、マイナーなものがメジャーへと躍り出るとき、どうしても数の多い方へと移行せざるを得ないのは自然なことであります。
 「ロリコンマンガ」がエロ主体の「美少女コミック」に変質していった、そんな時代でありました…。

谷口敬ホームページ・単行本「フリップ・フロップ3」解説より
初期

■吾妻ひでお

 吾妻ひでおは、それまで劇画調のみだった成年漫画の世界に、アニメ調の絵柄を持ち込んだ先駆者的な人なんですが…80年代生まれの管理人からすると、この辺がどうもピンとこなかったりする。

 もちろんWikipediaを始め、至る所でそう書かれてるし、実際にそうだったんだろうけど、別に作者名で検索してもエロい絵や単行本が出てくるわけでなし。70年代にも永井豪本宮ひろ志がいたわけで…。

 長らく不思議だったんですが、調べていくと、当時(80〜81年頃)の同人誌「シベール」や自販機本「少女アリス」で発表された成年向け作品は「夜の帳の中で」に割と収録されてると知り、購入してみました。

 …なるほど、読んでみれば確かに、エロ漫画の萌芽を感じる。70年代にも少年誌や青年誌で描かれたアニメ絵のエロ系作品はいろいろありますが、ここまで露骨な性描写はまだ見られなかった。

 ただ思ったのは、やはりこの人は「不条理系SF美少女ギャグ漫画家」であって「エロ漫画家」ではないな、ということ。

 終始異様な世界観で繰り広げられる少女達とのセックスは、漫画好きとしては楽しめましたが、これを「エロ漫画」と呼ぶには抵抗がある。

 リアルタイムで読んでいれば、また違った感想を持ったのかもしれませんが…可愛らしい絵柄でセックスや下ネタをいくら見せられても、そこに欲情することは最後までありませんでした。

 一般誌で発表された作品に関しては現在、山本直樹がセレクトした傑作選「21世紀のための吾妻ひでお」が出ているので、作者のエッセンスだけを味わいたいなら、そちらで十分だと思う。

 あと、吾妻ひでおといえば、2005年に失踪中の実体験を元に描かれた「失踪日記」が大きな話題となりました。作者は今では、こうしたエッセイ漫画の方でメインに活動しているようです。

「夜の帳の中で」吾妻ひでお
「21世紀のための吾妻ひでお Azuma Hideo Best Selection」吾妻ひでお
「失踪日記」吾妻ひでお

吾妻ひでお
「夜の帳の中で」より

吾妻ひでお
「夜の帳の中で」より

吾妻ひでお
「夜の帳の中で」より

■内山亜紀 中島史雄 村祖俊一

 前述の吾妻ひでおの影響もあり、この時代「レモンピープル」「漫画ブリッコ」を中心に、数多くのロリコン漫画誌が生まれるんですが…その初期には「エロ劇画誌」出身の作家も多く活躍していました。

 中で、鬼のように活躍したのが内山亜紀。後の美少女作画の方向性を決定づけたと言っても過言ではなく、あの手塚治虫にまで影響を与えたとされる人物なんですが…代表作は「ロリコン・ラブ」でいいのかな。

 女の子の可愛さは今でも通用するレベル。ただ、オムツにやたらとこだわりがあったものの、作画以外は特に見るべき点もないので、よほど興味がない限りはDMMのサンプル画像だけで満足するのが賢い気もします。

 もう一人、劇画出身で紹介したいのが中島史雄。彼に関しては80年代後半にヤングジャンプで描かれた作品もオススメなんですが、成年誌においての最エロ作品は「卒業」だと思います。

 これは87年の単行本「先生のお気に入り」に収録されてる短編なんですが、フィニッシュシーンの大ゴマの使い方等、現代のエロ漫画にも引けを取らない完璧な構成が見事です。

 当時の中島作品はB6判でも多数復刻されてて、そちらの「むかしの名前でHです」にも「卒業」は収録されてます。中編「恋は無休で営業中」も収録されてるので、何か1冊読むならコレかな。

 あと、完全に劇画の人なんですが、村祖俊一も個性的な作風で人気があったロリ系作家。86年の「闇をめくる少女」あたりを読んでみると、諸星大二郎的なシュールさもあり、ちょっと面白い。

「ロリコン・ラブ」内山亜紀
ダウンロード版
「先生のお気に入り」中島史雄

内山亜紀
「ロリコン・ラブ」より

内山亜紀
「ロリコン・ラブ」より

内山亜紀
「ピンキー・ドール」より

中島史雄
「むかしの名前でHです」より

中島史雄
「Be少女コミック」より

村祖俊一
「闇をめくる少女供廚茲

■ひろもりしのぶ 藤原カムイ 千之ナイフ 牧村みき 谷口敬

 当時の「ロリコン漫画」という言葉には「SF+美少女」くらいの意味合いしかなかったらしく、特に80年代初期においては、現在のように「抜き」に特化した構成の作品というのは非常に少なかったようです。

 中にはMEIMUのように全くエッチシーンのない作品も多く、管理人もめぼしい作品をいろいろ漁ってみたんですが、この時期でオススメしたくなるものは、ちょっと見当たりませんでした。

 後に一般誌で人気作家となるひろもりしのぶ(みやすのんき)藤原カムイなんかも、同人臭がひどかったり全然エロくなかったりして…素直に一般誌で描かれた作品を読んだ方が遥かにマシ。

 特にひろもりしのぶバナナシスターズ」は同人誌時代の作品も収録されてるんですが、カリオストロの城のクラリスとか、ミンキーモモのかなり下手なエロ絵が普通に載ってて驚きました。

 2人とも人気があったようなんですが、確かに画力は当時としては飛び抜けてる。大友克洋の影響をもろに受けてるシーンが多かったのも印象的でしたね。(ちなみに「AKIRA」の連載は82年スタート)

 今読むなら、ゴシック調の作風で知られる千之ナイフや、SM・ボンデージ趣味の牧村みき(エル・ボンデージ)谷口敬あたりの方が面白い気もしますが…うーん、この辺は完全にマニアの領域。

「バナナシスターズ」ひろもりしのぶ
「水の戯れ」谷口敬
無料公開版

ひろもりしのぶ
「バナナシスターズ」より

藤原カムイ
「DEJAVU(デジャヴ)」より

MEIMU
「SILKSCREEN」より

千之ナイフ
「鏡の国のちづる」より

牧村みき
「がんばれBONDAGE」より

谷口敬
「水の戯れ」より
中期

■森山塔(塔山森・山本直樹)

 その圧倒的な世界観で80年代に爆発的な人気を誇った森山塔は、当時すでに山本直樹名義で青年誌でも活躍していました。個人的には90年代の作品の方が好きなんですが、この時代も味がある。

 森山塔としては85〜87年に単行本が出てまして、その作品のほとんどが後にフランス書院コミック文庫で、さらに2000年代にはB6版のZコミックスでも再編されてるので、今ならそちらを集める方が楽。

 ちなみに、管理人が森山作品の中でベストだと思うのは、短編の「とくべつのあわ」。Zコミックスだと「SERVANT」に、DMMでダウンロード販売されてる旧版だと「準子さんの肖像」に収録されてます。

 これは銭湯で出会った女の子に悪戯する話なんですが、ロリコン物としては80年代の最エロ作品と言って良いかもしれない。また、作者はメガネっ娘も好きみたいで、作中によく登場します。

 1984年からリリースされたロリコンアニメの金字塔「くりいむレモン」シリーズにも、後で紹介する亜麻木硅らと共にゲストとして原作参加したりもしており、当時の人気が伺えます。

 アクの強い作風なので好き嫌いは分かれると思いますが、個人的には、他人にオススメしても良いと思える最古のエロ漫画家です。

「準子さんの肖像」森山塔
ダウンロード版
「森山塔選集1」森山塔

森山塔
「MUSHROOM」より

森山塔
「Rough&Ready」より

森山塔
「PegiminH」より

■前田俊夫

 漫画エロトピアで連載された作者の代表作「うろつき童子」は、おそらくエロ劇画史上最大のヒット作品。作者の公式サイトによると、250万部以上売れたというから驚きです。

 超豪華スタッフによるOVA版は、当時「くりいむレモン」シリーズと共にアダルトアニメ界の金字塔を打ち立て、海外でも高く評価されました。触手ブームの先駆け的作品としても有名。

 内容は壮大なスケールで描かれたSF伝奇アクションで、今の若い人にもとっつきやすいと思う。エログロ版「AKIRA」というか。ただ、作画のクオリティはともかく、劇画なのでエロさは感じない。

「うろつき童子」前田俊夫
ダウンロード版

前田俊夫
「うろつき童子」より

前田俊夫
「うろつき童子」より

前田俊夫
「うろつき童子」より

■孤ノ間和歩 雨宮じゅん 五藤加純 森野うさぎ 計奈恵 山川純一

 他、この時期で気になったのは、孤ノ間和歩ザ・ハイディアン・ゲーマーズ」。表題作である中編ファンタジーが収録されてて、エロは非常に薄いんですが、80年代丸出しの作画とノリが興味深かったです。

 後に一般誌に進出する雨宮じゅん(雨宮淳)なんかも、少女漫画的な独特の絵柄でショタキャラを好んで描く個性的な作家でしたが…まあ、青年誌で描かれた作品の方がエロいと思う。

 抜き系だと、五藤加純中森愛みなみゆうこあたりがめぼしいところですが…ただ、やはりこの時期は、森山塔が突出してる印象。森野うさぎ(影夢優)も可愛らしい絵柄で目立つ。

 よく名前を聞く新田真子(しんだまねと読む)とか、アニメ系の計奈恵(和猫)とか、後に一般誌に進出する寄生虫(増田晴彦)あたりも読んだことがあるんですが、この辺はさっぱりエロくなかった。

 あと、六波羅芳一架空まさるあたりも気になってるんで、入手できたら追記したい。最近は「絶版マンガ図書館」で公開されてる作品も増えてきて、気軽にこの時代のエロスに触れられるようになりましたね。

 ちなみに、「やらないか」で有名となったゲイポルノ・山川純一くそみそテクニック」が誕生したのも、この時代でした。このジャンルの第一人者である田亀源五郎のデビューも同時期。

「ミルキィ★ボックス」森野うさぎ
無料公開版
「トライアングルミステリアン」計奈恵
無料公開版

孤ノ間和歩
「ザ・ハイディアン・ゲーマーズ」より

雨宮じゅん
「くいこみ天使」より

五藤加純
「移動性高気圧」より
後期

■亜麻木硅

 80年代後期を代表する作家といえば亜麻木硅なんですが、彼の作品はレズ物がメインなので、多少好みは分かれるかも。なので、男女の絡みが中心の「MINA17」をオススメしておく。

 この時期になるとロリコン漫画ブームもかなり下火になってるせいか、顔は童顔なのに体は豊満ですね。このアンバランスさが実にエロい。時代を凝縮したかのような美少女作画は一見の価値あり。

 また、一時期、青年誌のベアーズクラブで「いきなりっ!CAN2」という作品も連載してたんですが、例の宮崎事件の影響で?単行本が2巻で打ち切られ、後に茜新社から成年マーク付き全3巻で復刻されたりしてます。

「MINA17!」亜麻木硅
ダウンロード版

亜麻木硅
「ふたりでエスケープ」より

亜麻木硅
「ふたりでエスケープ」より

亜麻木硅
「MINA17!」より

■シン・ツグル ねぐら・なお 安田秀一

 シン・ツグルは亜麻木硅によく似た作風で、やはりレズ物が多かったんですが、こちらも人気でした。ねぐら・なおは、90年代以降ムチムチ系の作画にシフトしてしまうんですが、この頃はまだロリ系ですね。

 90年代で紹介している蘭宮涼和田エリカ魔訶不思議も、すでに頭角を現してた感じ。安田秀一しのざき嶺猫島礼阿乱霊あたりはエロが薄すぎ、物足りなかった。

 あと、少年誌でも活躍したやまぐちみゆき(飛鳥弓樹)や、エロコメ系少年漫画家として知られる帯ひろ志本能猛名義で活躍していたのも、この頃。

「ぐりぐり白書」ねぐら・なお
無料公開版

シン・ツグル
「ドラッグ・ふみちゃん」より

ねぐら・なお
「とってもHな玉手箱」より

安田秀一
「セクシャルコネクション」より

■わたなべわたる 唯登詩樹 ちゃたろー

 80年代末期、ロリコン漫画ブームの終焉を象徴するかのような、ムチムチ系の作画とエロに特化した内容で人気を博したのが、現在も現役で活躍する、わたなべわたるでした。

 彼の代表作「ドッキン美奈子先生!」は、タイトルからして明らかに当時人気だったエロコメ系少年漫画・上村純子いけない!ルナ先生」を意識したもの。絵柄も良く似せており、エロゲ化もされたそうです。

 他、ほとんど90年代の作家になりますが、洗練された作画で一般誌でも活躍する唯登詩樹や、遊人ぽい作画のちゃたろーなど…この辺が非ロリ系では代表的な作家ですが、今読むのはきつい印象。

「ドッキン美奈子先生」わたなべわたる
ダウンロード版

わたなべわたる
「ドッキン美奈子先生!」より

唯登詩樹
「×2」より

ちゃたろー
「わくわくハイレグ娘」より
当時の広告

■久保書店(レモンピープル)

■フランス書院コミック文庫

■ワニマガジン(漫画エロトピア)

■東京三世社

◆ 関連記事(年代別レビューまとめ) ◆
1970年代1980年代1990年代2000年代2010年代
少年誌少年誌少年誌少年誌
青年誌
少年誌
青年誌
青年誌青年誌青年誌
-成年誌成年誌成年誌成年誌
--エロゲエロゲエロゲ
--AV

このエントリーをはてなブックマークに追加
2012年07月10日|エロ漫画回顧録

■おすすめアダルトグッズ > 管理人レビューはこちら

人気No.1オナホール

人気No.1ラブドール

おすすめローション

包茎矯正器具